2014年2月菅田巌 会長

新年明けましておめでとうございます。
会員各位には清々しい新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
また,日夜地域医療に取り組み,地域住民の安心・安全に寄与されておられることに感
謝申し上げます。
平成26年干支は甲午(きのえうま),甲は殻を脱ぎ新たな芽が出始める年,午は杵の形
をした呪器の象形文字で抵抗,対抗を意味するといわれ,革新の年,躍動の年となるよう
期待する。アベノミクスによる3本の矢(大胆な金融緩和,機動的な財政政策,民間投資
を喚起する成長戦略)は,円安株高により経済の活性化そして輸出関連企業への恩恵等明
るい兆しも見られ,更に2020年の東京オリンピック開催,国土強靭化,老朽化したインフ
ラの更新等公共事業によるデフレ脱却が図られようとしている。しかし輸入のコストアッ
プによる物価の上昇傾向がみられ,アベノミクスによる恩恵の実感は少ない。
【第4の矢・社会保障制度改革】
第4の矢といわれる社会保障制度・税一体改革による財政再建が進められ,第185回臨時
国会においては社会保障制度改革の実施スケジュールを定めたプログラム法案,即ち「持
続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」が成立した。1月24
日召集予定の通常国会において,1割から自己負担2割を導入する介護保険制度改正等の法
案を提出し,政府は2015年4月に施行する予定としている。今年4月からは,今まで特例で
1割に据え置いていた70~74歳の高齢者医療保険の自己負担を法律通りの2割として,今後
5年間で段階的に引き上げられる。また高額療養費の上限を所得に応じて設定して,高所
得者層の負担を増やす等,高齢者や高所得者にとっては痛みを伴う部分もあるが,2025年
の団塊の世代が後期高齢者となる社会にむけて,社会保障制度改革プログラムがなされる。
医療制度においては病床機能報告制度の創設・地域の医療提供体制の構想の策定等による
病床機能の分化および提携,介護保険制度においては地域包括ケアの推進が挙げられ,在
宅医療・在宅看護の推進,更には地域包括ケアシステムの構築に向けた医療と介護の多職
種による連携,地域完結型の医療・介護サービスの提供体制の再構築が求められている。
安芸地区医師会も地域包括ケアシステムの構築を目指し,在宅医療推進拠点整備事業計
画書を作成し補助事業を開始する。これらは先輩諸先生方が取り組んで来られた事業のう
えに成り立っており,先生方には是非,地域での在宅医療推進リーダーとして頑張ってい
ただきたいと思う。
【診療報酬改定】
今年は診療報酬改定である。診療報酬改定の基本方針は社会保障制度改革国民会議の報
告書を踏まえ医療機関の機能分化・強化と連携,在宅医療の充実が柱となっている。日医
は医療崩壊を防ぐ,前回に続くプラス改定を求め,政府は財政難を理由に,プラスマイナ
ス0%を軸にせめぎ合いとなっていたが,厚労・財務省との折衝で本体部分と薬価部門を
合わせた全体について0.1%の引き上げが決定した。しかし消費税分を考えると実質的に
は引き下げとなった。2014年4月の消費税の補填分1.36%が含まれているため,実質的に
はネット1.26%マイナス改定で,2008年度改定以来,6年ぶりのマイナス改定である。
一方で医療機能分化・連携,在宅医療の推進などのために新たに約900億円の国民の負
担に跳ね返らない基金として,消費税引き上げと同じタイミングで,保険料・患者負担と
いう国民負担が増えることがないよう調整された。この約900億円の基金については地域
包括ケアの中心を担う,かかりつけ医機能を持つ医療機関に配分されるとのことで期待し
たい。
【定款改定】
安芸地区医師会は,昨年4月平成18年の公益法人の改定を受けて,非営利徹底型一般社
団法人に移行,また7月には安芸地区医師会設立125年史が完成し,新たな安芸地区医師
会となった。法人改革においては,ガバナンスの重要性が挙げられ,迅速性が必要であ
る。今回定款等改定検討委員会において検討していた新定款案,新定款施行細則案及び諸
規則案ができ上がり,皆様に検討していただくために1月30日に定款等説明会を開催する。
そして2月の臨時総会において決議を図る。安芸地区医師会の125年の歴史を紐解くと,先
達は①医の倫理②医学・医術の研錬③医権の拡大・医業の安定・親睦を掲げて邁進し
てきた。時代の変遷と共に,それぞれのブロックで地域に根ざした運営を行い,医師会を
変革し,救急,日曜当番医,学校保健,地域保健対策協議会,更にかかりつけ医,在宅医
療,総合介護事業等,時代の変遷と共に運営してきた。
【天馬行空】
TPP問題(保険,医薬品・医療機器,医療IT,医療サービスの4分野),消費税問題など
厳しい状況の中で,創意工夫,忍耐強く鋭意努力し,活力をもって現状を打破し,未来に
向かって行かなくてはならない。今年の午年にあやかり,「天馬行空」「管仲随馬」関連な
地区医師会を目指したい。地区医師会の使命である地域に密着し,皆様の英知を結集し,
サステイナビリティそしてサバイバビリティのある医師会運営を行い,医師会事業をより
充実させ,100周年記念碑にあるように「順天以医救世以仁」を心に刻み,「温かく心のか
よった地域医療を目指して」前進して行きますので,会員各位のご協力をお願い致します。
本年もよい年になることを祈念して,私の新年の挨拶といたします。
(平成26年1月9日)

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