2014年10月菅田巌 会長

 朝夕,すっかり爽やかな季節となった。既にご存知のように,8月の広島市安佐南区・
北区の豪雨土砂災害において,県医師会からは「大規模土砂災害により転居した被災者へ
の医療支援」についての依頼があった。また災害支援ナース派遣について県看護協会より
依頼があり,府中町訪問看護ステーションからは所長の堀川さんを9月4日から7日,海田
訪問看護ステーションからは主任の金行さんを9月17日から20日までの予定で避難所に派
遣している。住民の健康管理,健康相談や指導に頑張っていただき,1日も早い復旧を
願っている。
【故横山隆先生従四位瑞宝小綬章】
 去る5月29日にご逝去された安芸市民病院名誉院長・広島大学名誉教授横山隆先生の奥
様から,8月17日にお手紙をいただいた。先生は,閣議決定と天皇陛下への奏上を経て,
従四位瑞宝小綬章拝受の栄に浴されたとのこと。安芸地区医師会会員として,非常に喜
ばしく栄誉なことである。先生は平成15年広島大学を退官され,広島市医師会運営・安芸
市民病院院長に就任,安芸市民病院の発展充実に貢献された。平成18年の診療報酬改定で
新設された「在宅療養支援診療所」の連携病院として安芸市民病院にお願いしたところ,
快く引き受けていただき,また,NST(栄養サポートチーム),樽瘡チーム,呼吸療法
チーム,口腔ケアチーム,醸下チームなどや,ICT(院内感染対策チーム)も立ち上げら
れ,チーム医療に心がけられ,地域に密着した医療をなされており地域になくてはならな
い中核病院として頑張っておられた。平成18年には日本化学療法学会より志賀潔・秦佐八
郎記念賞を受賞され,これは北里柴三郎門下の赤痢菌発見者の志賀潔とサルファ剤の発明
の秦佐八郎の業績を讃たえ,化学療法の発展を願って作られた記念賞で,タイトルは「術
後感染症の予防に関する実験的,臨床的研究,特にMRSAについて」で外科医では初め
て受賞されている。
 最近送られてきた広島院内感染症対策研究会30回記念誌(CD)には,横山先生の2010
年の「困ったおじ医さん,迷惑医にならないために一医学はサイエンスである-」と題し
た講演スライドが掲載されていた。
『医学はサイエンスである
 実際の診療では経験科学的な面が残っているが,今や医学的な問題の多くは科学的に説
明できる時代となった。
年齢によって実力に差ができるのではなく如何に科学的な筋道で診療できるかにより診
断,治療の成果がかかっている。
年取るとあまり期待されなくなり知識を取り入れる時間的余裕が出来る。知識を取り入
れる手段としてインターネットという優れた手段がきわめて容易に利用できるようになっ
た。
しかし記憶力は低下するために,若い人の倍以上の時間を必要とする,困ったおじ医さ
んにならないために経験論を振り回すのではなく,科学的な論理の展開で,疾患の診断・
治療にあたりたいものである』と,ライフワークである感組のメカニズムを科学する心
で熱く語っておられる。謹んで,ご冥福をお祈りいたします。
【デング熱】
広島大学病院感染症科の繁本憲文先生執筆の「知っておきたい予防できる海外での感染
症」が,会員・患者さん用に配布されているが,8月26日海外渡航していない埼玉在住の
10代の女性のデング熱と判明して以来,東京代々木公園を中心に流行している。東京に
行っていない患者さんも催患しており,本日18日現在131名に達している。当地でも気を
付けなければならない。
ェボラ出血熱,そして高齢C型肝炎の新薬承認と感染症の話題には事欠かない今日こ
の頃である。
(平成26年9月18日)

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