2014年4月菅田巌 会長

東日本大震災は11日,発生から3年を迎えた。死者15,884人,行方不明者2,633人,避難・
転居者が267,419人を数え,福島第一原発事故の収束も見えないままである。避難生活に
起因し10日までにお亡くなりになった震災関連死は3,048人に上っており,一日でも早く
地域の再生・復興を願う。
【災害時医療連携と災害時要援護者支援】
福島第一原発のメルトダウンによる放射能汚染問題等で高齢者を含む災害弱者に関して
多くの課題が出てきた。政府は1月17日東日本大震災や福島第一原発事故を踏まえて国の
防災基本計画を修正し,高齢者ら災害弱者の避難や原発事故に伴う内部被ばくを防ぐ対策
を強化し,南海トラフ巨大地震や直下地震を想定,被害を最小限にとどめる「減災」を目
指して住民や地方自治体がより実践的に動けるように規定を設け,現在地城において,災
害弱者といわれている災害要援護者である高齢者や障害者らを迅速に避難させるため,4
月から災害弱者の名簿を作成するよう義務付けた。
今や南海トラフを震源とする巨大地震は,いつ発生してもおかしくないといわれてお
り,広島県においても大きな被害を受けることが予想される。災害による被害を出来るだ
け少なくするために,我々医療介護関係者は平時より災害時の支援について理解し,それ
ぞれ連携しあって取り組んで行かなければならない。支援体制のネットワークシステムの
構築に向けて,どのような取り組みが必要か,一緒に考えて行くため,「在宅災害弱者を
支える~経験知から語る~」と題して,高齢者・障害者支援のトップランナーである
NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク 理事長の黒田裕子氏に講演していただ
いた。行政,保健師等との連携は勿論,平時から自治会,民生児童委員,地区ボランティ
ア,生活指導相談員,社会福祉協議会等福祉化案系の人々との連携が必要で,安芸地区防
災医療ネットワークを作るためには,医師会自ら出て行くことも重要である。
日医では2月24日「従業員等の身に津波による危険が迫れば『従業員等も退避する。』と
いうことを基本とする」などを内容とする避難確保計画作成の手引き(津波編,洪水編)
を国土交通省と共に作成している。また,同手引き(津波編)に基づく計画のひな型も製
作しており,関係医療機関に周知を,と担当の石井正三理事,高杉敬久理事は述べている。
【新型インフルエンザ実地研修会】
研修会において大毛宏喜教授は,現在中国で流行っているA(H7N9)の遺伝子解析結果,
A(H7N9)ウイルスは典型的な鳥の低病原性ウイルスに相当,家禽では不顕性感染のため,
感染した鳥を検知するのは困難,ヒトに対する病原性は季節性インフルエンザと同程度,
ヒトーヒト感染によるハンデミックはA(H5Nl)より高いと推測されるとし,「抗体依存性
増強作用」への懸念があり,ヒトーヒト感染の情報に引き続き要注意であると述べてい
る。現在新型インフルエンザ等特定接種に係る医療機関の事前登録は1月29日から3月14日
までである。特定接種の申請をする場合は,従業員数は記載すれば,自動的に換算して記
載されている。また必ず診療継続計画書の作成が必要であるが,検査キットや薬等は卸よ
り入手と記載しておく。
【ベースアップ】
平成26年春闘は,6年ぶりのベースアップとなり,デフレ脱却を掲げる安倍政権の要請
や,復興特別法人税の減税を前倒ししたのが功を奏した形で,トヨタは月額2,700円,日
産は3,500円,ホンダは2,200円,三菱白は2,000円である。地場のマツダは1,100円で,一時
金は5.3か月分,更に賃上げとは別に「自己啓発支援手当制度」を創設し,夏季賞与時に
組合員一人当たり6,000円支給するとのことで,今後下請け企業にも波及することを願っ
ている。
3月9日に開催された県医師会第112回定例代議員会及び総会では,平成25年度補正予算,
平成26年度事業,及び予算等が承認された。平松体制がより盤石な体制となるよう期待する。
(平成26年3月13日)

記事一覧へ