2013年8月菅田巌 会長

広島の梅雨明けは例年より13日も早く,梅雨明け後は連日30度を超える日が続いています。熱中症に気を付けて下さい。

【職場体験学習(キャリア・スタート・ウィーク)】
例年府中町では,この時期に職場体験学習(キャリア・スタート・ウィーク)が始まる。府中町町内の様々な事業所において職場体験を行う。当院では府中緑ヶ丘中学校2年生3人が6月24日(月)~28日(金),府中中学校2年生3人が7月1日(月)~5日(金)の5日間,職場体験学習を行った。今までは女生徒のみであったが,今年は2:1で男子生徒が多く,生徒全員が医療・医学を目指している。府中中出身の先輩として,彼らの将来に期待している。

【無医地区】
2009年(平成21年)10月の調査では,広島県は北海道に次いで2番目に無医地区が多く,53か所に上る。無医地区とは,50人以上が住んでいる半径4キロの範囲内に医療機関がなく,公共交通機関などを使っても容易に利用できない地区のことで,最多は北海道の101か所,人口13,086人で,広島県は53か所,9,467人である。また準無医地区が26地区ある。準無医地区とは,無医地区には該当しないが無医地区に準じた医療の確保が必要な地区と都道府県知事が判断し,厚労大臣に協議し適当と認めた地区である。2004年(平成16年)の医師臨床研修制度が導入されて以後,過疎市町における医師数の減少が著しく,地域間格差が拡大して行った。医師の年齢別では40歳代までが減少し,50歳代以上が増加傾向にある。

【推薦入学制度「ふるさと枠」】
一方,2009年度から,広島大学医学部に推薦入学制度「ふるさと枠」を創設し,平成22年度からは,広島県からの寄付講座「地域医療システム学講座」(竹内啓祐教授)を開設,地域の医療機関で医学部学生の地域医療実習が実施されるなど,地域医療を担う医師の養成や地域医療の充実に向けた取り組みがなされている。6年間の在学中,月20万円の奨学金(計1,440万円)を支給して,卒業後の9年間は指定する中山間地域などの公立病院で従事し,また知事が指定する診療科に従事すれば,返済が免除されるシステムである。平成21年には5名,平成22年から平成24年には15名と順調に育成され,平成25年度には地域枠は3名増員され18名となり,約150名の医師を確保する計画である。岡山県も広島大学医学部医学科に2名の「ふるさと枠岡山県コース」という地域枠を設置し,地域で住民の暮らしや人生を支える医療を担う医師の育成,確保に努めている。

【広島県保健医療計画一保健医療体制を人材の育成・確保】
2011年(平成23年)広島県医師会,広島大学,県,市町等の参画により,広島県地域保健医療推進機構を設立し,医師確保,人材育成を体系的かつ機動的に行う体制を整えた。広島県保健医療計画では,平成25年度から平成29年度まで,

①過疎地域の対10万人当たり医療施設従事医師数に関して,
平成22年現状値178.1人 → 平成28年目標値183.7人に,

②40歳代までの医療施設従事医師数
同3,424人 → 同3,424人の維持

③初期臨床研修医のマッチング者数
平成24年 139人 → 平成29年 158人

④自治医大卒業医師県内定着率
同 67.3% → 同 75%

⑤ふるさとドクターネット広島登録者数
同270人 → 同 600人

⑥ベテラン医師の診療支援システム登録者数
構築 → 同 30人

⑦短時間正規雇用による女性医師数
同 48人→ 同 58人

としている。

このように僻地医療を支える体制を広島県では,広島県僻地医療支援機構において,へき地医療拠点病院(8病院)との連携・事業評価,医師派遣事業の総括・管理,研修事業の企画等により,僻地診療所(16か所)等の医療機関及び無医地区等に対する総合的な医療支援を行っている。今年5月から始まったドクターヘリ事業もその一環である。

(平成25年7月11日)

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