2012年3月菅田巌 会長

暦の上では立春も過ぎたが,まだまだ寒い日が続いている。県は1月25日に「インフル
エンザ警報」を発令し,インフルエンザ様疾患による学級閉鎖は,第6週(2.6~2.12)の2
月6日現在422件(今シーズン延べ数)に達し,6日の1日だけで51件に上っている。先週,
先々週に比べれば減少傾向にある。広島市では第5週(1月30日~2月5日)で学級閉鎖が45
件と急増している。第6週(2月6日~12日)で2日間だけで29件と乳幼児から小学生を中心
に流行が拡大している。平成21年流行った新型インフルエンザA/HINlは季節型となり,
今季は駆逐されほとんどがA香港型(AH3)となっている。流行がピークを迎える前の
ワクチン接種が望まれ,日本ではワクチン禍が社会問題になるたびに国家が責任を負う
「法定接種」から国民の自己責任に委ねる「任意接種」に扱いを変えてきた。これは免責・
無過失補償制度を充実させてきた海外とは対照的である。少子化の時代,外国のように集
団かつ税金で希望者に行えるようにすべきだと思う。

【県医師会長選】
2月6日の中国新聞の朝刊に「30年ぶり投票へ 2氏立候補の構え 広島県医師会長選」
として,現会長の碓井静照先生と前広島市医師会長で県医師会常任理事の平松恵一先生の
2人が立候補と出ていた。代議員の先生には双方から所信表明が来ていると思うが,3月11
日の第106回県医師会定例代議員会で投票となる。県内では中山間地城の医師不足や救急
医療体制の充実など,県民の安全に直結する課題が山積している。

【山陽線・呉線高架化】
同じ朝刊の「5県の動き-記者の目」「広島」の欄に「高架化延期まず説明」という見出
しで,「広島市東部と府中,海田両町を通るJR山陽線,呉線の連続立体交差事業で,事業
主体の県と市はそれぞれ2012年度当初予算案への設計費計上を見送り,事業規模などを見
直す。事業は線路計6.3キロを高架化し,踏切20か所を撤去する。当初15年度とされた完
了時期が,さらにずれ込む可能性が出てきた。線路で分断されている地域では,高架化に
よる周辺道路の渋滞解消への期待が高い。経済活動や住環境に影響する事業だけに,見直
し理由などの十分な説明が求められる」と出ている。県,市ともに予算化ができない以
上,医師会館の移転立ち退きという計画はまだまだずいぶん先のようである。このような
時期に新会館建設ができ,会員の研修,研鐙の場として,職員のモチベーションとしての
環境整備ができたことは有意義である。新医師会館の引き渡しが先月の30日に終わり,事
務部門,居宅介護,介護部門の移転も完了した。100周年記念碑の「モッコク」の移動が
始まり,旧会館の取り壊し後整地して,3月末には新会館の建設の事業が完了する。第106
回安芸地区医師会定例総会には間に合わないが,4月の役員,代表幹事合同会議には新医
師会館で行い,皆様にお披露目できると思う。

【広島市整形外科系夜間救急診療所の整備について】
同じ紙面に「県境エリア広域医療圏の動き 行政の壁どう克服福山・井笠 救急や医
師確保協力を」と広島・岡山両県にまたがる福山・府中2次保健医療圏と岡山県西部2次保
健医療圏(井原市・笠岡市)の小児2次救急,成人向け夜間診療所の医師不足,医師確保
の問題,産科医の高齢化の問題等で県境を越えた医療広域連携の体制の早急な具体化が求
められていると報じられた。

広島市の整形外科系の2次輪番制の崩壊が医師会あるいは整形外科医会に伝えられたの
が昨年のこの時期である。平成9年に始まった整形外科系広島市病院群輪番制は当初29病
院で始まった。有床診を除外して開始され,近年の医師不足がこの病院群にもおよび,現
在26病院となり,いわゆる公的病院も,翌日の手術・診療に影響が出るということで,当
初,1日当たりの当番病院数2~3病院で運営していた。しかし平成22年6月1.91,平成23年
1月には1.38と急激に減少した。
その原因は整形外科病院の医師の退職やそして軽症患者,迷惑患者の受診もあり,ス
タッフの疲弊,モチベーションの低下による病院の輪番制からの離脱が挙げられる。そこ
で広島市は広島市連合地対協に,従来の1次~1.5次の軽症患者(年間推定4,700人)に対す
る体制の整備を依頼してきた。平成23年4月26日市の第1回目の整形外科系救急医療体制検
討委員会が開催された。2回目の会議が1月17日に開催され,市長あてに整備の必要があり
との要望書を提出した。適地として今回双葉の里に建設される地域医療支援センター(仮
称)が挙がった。今回の新県医師会館の建設・財務・運営合同委員会の開催において,厳
しい意見が出され長崎広島市医師会長は地域医療支援センター(仮称)での設置を断念し
ている。広島市地対協整形外科系救急医療体制検討委員会及び県整形外科医会は場所,運
営等早急な検討が必要である。
(平成24年2月)

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