2011年6月菅田巌 会長

3月11日に発生した福島,宮城,岩手,茨城等中心とした東日本大震災は昨日で2ケ月
が経った。4月役員・地区代表幹事合同会議において,今回の大震災に際して安芸地区医
師会として,義援金を送ることに賛同していただき,4月25日に中国新聞社を通じて日赤
に送った。日医,県医,また各診療科で,また地域で,重ねて支援されていることに感謝
申し上げる。

【東日本大震災】
東北新幹線,高速道路は,阪神・淡路の大震災の教訓を生かし補強していた為,驚異的
な速さで復旧している。また,仮設住宅やライフライン等の復旧も進んできている。そし
て今回の中部電力浜岡原子力発電所の原子炉停止は,菅民主党政権の英断であるが,我々
中国電力管内も今年の夏は電力不足への対応として知恵を絞って節電に努めなければなら
ない。喫緊の課題は福島第一原発の放射能汚染を如何にくい止めるかである。この国家的
な未曾有の難局を乗り越えられるよう願っている。
5月10日現在で,この大震災による死亡者14,949人,行方不明者9,880人,避難者117,085
人となっている。阪神・淡路大震災を教訓に,災害直後の「防ぎ得る死」を減らすべく整
備されたDMATは,今回非常に早く対応した。DMATは,建物に長時間身体を挟まれた
ことによるクラッシュ症候群や外傷の治療,重傷者の広域搬送等急性期の医療を想定して
出動したが,今回は,大津波による溺死が9割以上を占めており,搬送も救急車の流失等
で医療支援チームの役割は限られたようだ。その後日医は,JMATを立ち上げ長期的な
支援を行っている。

医療面の特徴として,急性期でも寒さ及び水にぬれたままの避難による低体温症,そし
て薬を流されたため服薬の中断での症状の悪化や食糧不足による栄養状態の悪化,避難生
活によるストレス,さらに衛生状態の悪化によるウイルス性腸炎,粉塵による上気道炎な
ど,コモンデイジーズや慢性疾患など内科を中心としたプライマリケア医が必要であっ
た。
さらに被災地域が広範囲で,避難所も広範囲に多数あり,三陸海岸沿いの岩手県,宮城
県の自治体病院15のうち高齢者医療の受け皿となっている7病院が全壊したり,常勤医師
がいなくなったり等,早期復旧が困難であると報じられている。もともと三陸海岸地域の
医師数は震災前から全国平均の6割といわれ,長期的な支援が必要であるが,医療機関の
再編・集約化が望まれる。

【広島市整形外科系救急医療輪番制】
広島市連合地対協・救急医療体制検討委員会の第3回「二次救急医療体制整備検討委員
会」で,救急医療コントロール機能の支援情報システム及びその運用や時間外選定療養
費・病院群輪番制について話し合われたが,その際広島市整形外科系救急医療体制輪番制
についても問題となり,第1回広島市整形外科系救急医療体制検討委員会が4月26日に開
催された。安芸区としてだけでなく,広島市周辺を含む整形外科,有床診療所,無床診療
所も参加した体制作りが必要である。

【新医師会館建設】
昭和42年に建設された医師会館昭和42年に建設された医師会館および検査センターには
先輩,OBの会員の先生方には色々な思いがあると思う。今回の地震を考えると,耐震性
から見ても今の会館は心もとない。新公益法人制度の問題もあり,これを機に会員そして
地域の皆さんがいつでも集まって研修や講演会ができる新しい医師会館を目指して行きた
い。                               (平成23年5月)

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