2010年8月菅田巌 会長

2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会では,睡眠不足に陥っている人も多いと思う。
ドイツとスペイン戦はスペインが身長差をはねのけて,左からのコーナーキックをヘディ
ングでゴールをこじ開けた感があり,準決勝戦にふさわしい戦いであった。いつものドイ
ツの突進力が見られなかったというか,封じ込められてしまったようだ。11日のオラン
ダ・スペイン戦が楽しみである。

さて,多くの下馬評を覆して「岡田ジャパン」は,ワントップに本田圭祐(CSKAモス
クワ)を据え,ウォルフスブルクのMF長谷部誠,グルノーブルのMF松井大輔など海外
組を加え4-3-2-1布陣を組んだ。6月14日緒戦のカメルーン戦では,1-0で勝利
し,「サッカーは義務だ」という国民的英雄のエトーを擁す「不屈のライオン」といわれ
るカメルーンを下したことで「今大会最大級の番狂わせ」と報じられた。19日のオランダ
戦では,0-1で敗れたものの優勝候補を相手に善戦した。オシム氏は「日本に欠けてい
るのは殺し屋の本能」といっている。24日のデンマーク戦では3-1と本田と遠藤のスー
パーFKで快勝して,決勝トーナメントに進むことができ「日本は進化した」と海外メ
ディアは報じた。リネカー氏は「不屈のサムライブルー」と賞賛,中田英寿氏も「こうい
うサッカーが見たかった」と述べている。29日の決勝トーナメントのパラグアイ戦では
120分では決着せず,PK戦となり,惜しくも3-5で敗れて8強には入れなかったが,
「ライジング・サン」と賞賛され,我々に希望や勇気を与えてくれた。まさに「勝たせて
やりたかった」と思った。また今回の準決勝戦のように日本人と余り身長差がないスペイ
ンの戦いは参考になったのではないかと思う。

平成21年8月,自民党政権は崩壊し,平成の維新を成し遂げた民主党は「コンクリート
から人へ」あらゆる面でパラダイム・シフトを成し遂げようとし,地域医療については,
民主党政策集INDEX2009に「診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけた。
総医療費対GDP比を経済協力開発機構(OECD)加盟国平均まで今後引き上げる」と明
言していたが,鳩山内閣はカネと普天間基地問題により,わずか8ケ月余りで崩壊してし
まった。6月4日第94代総理大臣に就任した管直人首相は「最小不幸社会」という理念を
掲げ,強い経済,強い財政,強い社会保障を一体として目指している。その財源として,
菅政権は「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始する」ことを明言し
「自民党が提示している消費税10%を一つの参考にする」としており「その使途は,社会
保障に限らない」(玄葉光一郎・政調会長)と,消費税論議も始まっている。
7月6日県理事会があり,碓井会長も出席され,「政権与党として消費税について議論
する事は評価する。医療に関しては非課税にするように,来広された長妻大臣には申しあ
げた。また地域医療再生計画について県市医師会が一緒になって,8月全理事会,9月臨
時代議員会で検討して行こう」と挨拶で話された。
7月11日は2010FIFAワールドカップ南アフリカの決勝戦であり,参議院選挙開票日で
ある。スペインかオランダか,民主党は参議院過半数を取れるのか,取れなければ連立は
どこと組むのか,決戦の日である。                (平成22年7月)

【追記】
7月11日の2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会の決勝は,延長戦までもつれ込み,
スペインがカウンターから赦密なパスワークを活かし1-0で黄金の優勝カップを手にした。
さて,第22回の参議院議員通常選挙では,消費税引き上げが最大の焦点になり,自民党
が51議席を獲得し参議院の改選第1党に復活した。民主党は44議席にとどまり,国民新党
は改選3議席をすべて失い,与党は122議席から109議席,過半数(122議席)割れとなり,
衆参ねじれ現象となった。かつて自民党が経験した国会運営を民主党が味わう事になる。
日医連が推薦した安藤高夫氏の獲得票は71,346票で落選,日医連支援となった西島英利
氏は得票数は76,131票で,再選を逃がした。みんなの党から出た日医連支援の清水鴻一郎
氏は,自民党から出馬して敗北した昨年の衆院選での雪辱を目指したが,22,711票で参議
院での国政復帰はならなかった。一人に絞ればトータル170,188票で当選していたかもし
れないが,いずれにしても,2001年は武見敬三氏が227,042票で当選,2004年は西島英利
氏が250,426票で当選だったが,2007年は武見敬三氏が186,616票で落選したときよりも少
ない。

日本歯科医師連盟の推薦を受けた民主党新人の西村まさみ氏が初当選,一方,日本看護
協会(日看協)の政治団体である日本看護連盟が支持する自民党新人の高階恵美子氏は
210,舶3票を獲得し,初当選を果たした。高階氏は1997年東京医科歯科大学医学部にて文
部教官(地域看護学)。2000年8月より厚生省(現:厚生労働省)に出向。厚生労働技官
として保健指導専門官,介護予防専門官,臓器移植指導官,医療課長補佐,医療指導医療
課長補佐,医療指導監査官,科学技術調整官などを歴任。2008年社団法人日本看護協会常
任理事。日本薬剤師連盟の支援を受けて立候補した自民党前職の藤井基之氏は145,771票
を獲得し,返り咲きを果たした。今後医師会の組織内候補としての人材が望まれる。
自民躍進で地域医療法案成立に懸念も出てきており,今後の療養病床再編等の問題がど
うなるのか,臨時国会と目が離せない。

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