2009年12月菅田巌 会長

当医師会のD会員で,呉市蒲刈町宮盛において「天寿堂医院」を昭和25年1月に開業
され,地域医療に貢献されてこられました鎌田 澄先生が91歳で,平成21年11月8日に
ご逝去されました。
ご遺族の方から,永い間闘病生活を送られてこられたと伺っています。ご冥福をお祈
りいたします。

各医療機関には,新型インフルエンザA(HINl)の蔓延に対し,地域住民の健康保持
のため,昼夜を問わず真撃に取り組んでおられ感謝致します。またマツダ病院,済生会
広島病院,安芸市民病院には休祭日当番に対応していただき有難うございます。

【検査センター運営会議】
10月に開催した検査センターおよび特定健診・特定保健指導運営会議において,今後
の検査センターの在り方についてアンケートをもとに討議をした。これまで総会等でも
会計を報告していたが「入るを量りて出ずるを為す」(礼記)のみではなく,会員の思い
もあり,臨時給会を開いて会員の総意にしたいと思うので宜しくお願いしたい。

【新型インフルエンザA(HINl)ワクチン】
厚生労働省は新型インフルエンザの本格的な流行で,11月6日新型インフルエンザA
(HINl)ワクチンの小児への接種時期の前倒しや保健センターの活用による接種等に関
して県に検討するように要望しているが,広島県では従来どおりのようである。
一方,日医は11日厚生労働大臣に,より多くの国民が安心してワクチン接種を受ける
ことの出来る体制の確保,および受託医療機関の過剰な負担を解消するため,季節性イ
ンフルエンザワクチンの供給,新型インフルエンザワクチンの提供体制の整備,適切な
接種体制(集団接種),情報提供の実施等の要望書を提出している。
新型インフルエンザワクチン接種費用負担助成を生活保護世帯や市民税非課税世帯に
対しては各市町で実施されるが,府中町においては,1歳から12歳までの小児,こども
に対して,1回目の接種負担金3,600円を補助するように町議会に諮る予定である。

【無血の平成維新】
臨時国会が10月26日召集され,鳩山首相は所信表明演説で「戦後行政の大掃除」「いの
ちを守り,国民生活を第一とした政治」「居場所と出番のある社会・支え合って生きてい
く日本」「人間のための経済へ」「架け橋としての日本」を掲げている。「無血の平成維新」
として改革の挑戦に期待したい。今までの財政のみの視点から医療費や介護費をひたす
ら抑制してきたこれまでの方針を転換し,地域医療や救急,産科・小児科などの医療提
供体制の充実を図っていただきたい。
しかし,今回の鳩山政権は,中央社会保険医療協議会における日本医師会枠ゼロが示
すとおり,日医執行部にとっても,開業医にとっても厳しい状況になっている。政権に
とって,「戦後行政の大掃除」を掲げ「脱官僚」を印象付ける象徴的分野が,東大教授の
姜尚中氏によると,国土交通省と厚生労働省であり,最大のターゲットになると分析し
ている(現代思想10月号)。長年にわたって自民党が支えてきた国土交通省は八ッ場ダム
建設中止に象徴されるように,建設に携わった企業は官僚の天下り企業で占めている。
厚生労働省も今回の新型インフルエンザワクチンの接種回数をめぐる問題に象徴され
るように,医療分野で民主党と厚生労働省の医療政策を担う医系技官の考えが鋭く対立
しており,どちらの政策が通るかが政と官の力学の今後を占う試金石となるだろうと東
大特任准教授上昌広氏はメディカル朝日10月号で述べている。そして医系技官はワクチ
ン禍が社会問題になるたびに,国家が責任を負う「法定接種」から国民の自己責任に委
ねる「任意接種」に扱いを変えてきた。これは免責・無過失補償制度を充実させてきた
海外とは対照的だと述べている。

【事業仕分け】
政府の行政刷新会議による事業仕分け作業が11日から始まり,厚生労働省関係では
○介護予防事業(地域支援事業の一部)
○介護サービス適正実施指導事業
○介護支援専門員資質向上事業
○診療報酬の配分(勤務医対策等)
○柔道整復師の療養費に対する国庫負担
○後発品のある先発品などの薬価の見直し
○入院時の食費・居住費のあり方
○レセプト審査の適正化対策
○国保中央会・国保連に対する補助金(国保連・支払基金の統合)
○レセプトオンライン導入のための機器の整備等の補助
○社会保障カード
○医師確保,救急・周産期対策の補助金等(一部モデル事業)
○健康増進対策費(女性の健康支援対策事業委託費)
が討議されている。

新聞報道で見られるように,診療報酬では,開業医と勤務医の収入平準化や整形外科
や皮膚科などの収入の高い診療科の報酬引き下げやジェネリック医薬品のある先発価格
引下げの見直しが決められた。またレセプトオンライン導入のための機器の整備等の補
助及び健康増進対策費は廃止された。またさらに医師確保,救急・周産期対策の補助金,
社会保障カードなどの事業仕分けが行われる。透明化を掲げているが,プレゼンが粗雑
でデータがどこから出たのか。ある官僚は「これは公開処刑だ」と語っている。
(平成21年11月)

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