2009年11月菅田巌 会長

台風18号は,幸いにも当地への影響はほとんどなく,阪神・カープ戦も行われた。残
念ながら今年もカープはクライマックスシリーズに出られず,来年は新監督の野村謙二
郎氏に期待したい。
医師会事業において,今月は県医師会ソフトボール大会,安芸地区学校保健大会,一
日行楽,済生会呉病院との病診連携連絡協議会等が開催される。また,懸案の検査セン
ターの運営に関して現在アンケートをお願いしている。忌憚のないご意見をお聞かせい
ただきたい。

【地域医療再生基金】
民主党政権になり,自民党政権下の総額14.7兆円にのぼる2009年度補正予算の見直し
を行っているが,2兆5169億円の執行停止を10月6日決定した。厚労省が計上している
4兆6718億円のうち,4359億円分を執行停止にする。執行停止となった事業は,緊急人
材育成・就職支援基金の3534億円をはじめ,未承認薬・新型インフルエンザ等対策基金
の679億円などで,地域医療の再建に向けて,09年度補正予算の目玉となっている「地域
医療再生基金」のほか,「医療施設耐震化臨時特例交付金」「介護基盤緊急整備等特例交
付金」「介護職員処遇改善等臨時特例基金」などは全額確保となった。しかし鳩山首相は
「もう一段の工夫をして欲しい」と述べ,今後副大臣・政務官級による「政治主導」によ
る査定に着手し,さらに執行停止事業を洗い出す。
広島県では地域医療再生計画推進委員会が「広島県地域医療再生計画(案)」を取りま
とめたと6日西部地域事務所より報告があった。医療機能の集約化・再編を伴う圏域を
対象として,Aプランの広島圏域+広島西圏域・広島中央圏域とBプランの福山・府中
圏域+尾三圏域に決定した。

広島圏域では
(1)総合的な人材確保対策の基盤づくり…広島県地域医療総合支援センター
(2)広島都市圏の救急医療体制の充実強化…
①広域コントロール機能による救急医療機能の強化(広島市民病院)
②圏域北部の高次救急医療機能の強化(安佐市民病院)
③安佐地区夜間急病センター設置
(3)広島都市部の4基幹病院の再編…高精度放射線治療センターの設置
となっている。今後,計画案は,広島県医療審議会において意見聴取した後,国に10月
16日までに提出することになっている。

【10月19日】
新型インフルエンザ患者数は大都市圏での増加が目立ち,東京では38週に1医療機関
あたり10.24人と,今後4週間以内に大きな流行が起こる可能性がある注意報レベルを突
破した。
国は10月19日から,まず医療従事者を対象に予防接種を開始する。6日の県医師会理
事会に出された資料によると,近日中に「新型インフルエンザワクチン予防接種受託医
療機関等調査」の資料およびハガキが各医院に送付されるとあった。ハガキに自院の従
業員数,納入卸売業者名を記載して提出。回答期限が10月14日となっている。県医師会
に委任して厚生労働大臣と契約し,全国受託医療機関一覧として厚生労働省HP上に各
都道府県のHP情報とリンクを張り,インターネットで閲覧できるようにする予定である。
先月の会長談話では郡市医師会が委託医療機関をとりまとめて県医師会へと述べたが,
事業実施が遅れているため方式変更になったと思う。

10月2日に国から都道府県に通達があり,資料に詳細に記載されている。県医師会で
は,10月8日市郡地区医師会感染症担当理事連絡協議会・県医師会感染症対策委員会・
地対協健康危機管理対策専門委員会の合同委員会が開催される。
予防接種は,あくまで「都道府県が決めたスケジュール」で行われる。

・受託医療機関は,都道府県が優先接種対象者ごとに定めた接種開始時期より前には,
当該優先接種対象者等以外の者に接種しない。
・受託医療機関は,都道府県が優先接種対象者等ごとに設定した接種時期の開始前に,
他の優先接種対象者等が接種を希望した場合は,当該優先接種対象者の接種時期まで
接種を待つよう説明する。
・優先接種対象者以外は優先接種対象者が終了しだいとする。
・国内産は優先接種対象者で使われ,それ以外には年末からの輸入ワクチンでの対応と
なる。
・今回の新型インフルエンザワクチン接種については,あくまでも個人の意思が尊重さ
れる。優先接種対象者についても,接種義務が生じるものではなく,該当する方のう
ち,希望者については接種を可能とするもの。

今回,自院での受診・在宅患者の接種対象疾患か否かのチェックをしていただきたい。
まだまだ問題点,疑問点がある。従来の季節性インフルエンザワクチンを接種したら,
新型インフルエンザに感染するリスクが高くなるというカナダの予備的研究結果が報告
されている。
今後国内での培養細胞を利用してのワクチン製造が望まれる。阪大微生物病研究会は,
鶏卵を使わず培養細胞でインフルエンザワクチンを製造する施設「観音寺研究所瀬戸セ
ンター」を,2013年春に香川県観音寺市で稼動させる計画を発表した。3年半後である。
(平成21年10月)

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